2022.11.4
- 連載
- 患者さんメッセージ
ALSの課題解決を起点に
BORDERLESSな社会を創造したい
連載 患者さんメッセージ「Move Forward」vol.4
BORDERLESSな社会を創造したい
- 目次
ALS発症から診断、そして自分らしく働き続ける道
2013年の9月、広告会社で忙しい毎日を過ごしていた頃、突然利き手の左手に違和感を覚えたのが発症のキッカケでした。
当たり前のように持っていたグラスが持ち上げられなくなったり、ペンで文字が書きにくくなったりと徐々に症状が進行していきました。
最初は疲れが溜まっているのだろうと思っていましたが、症状が強くなっている感覚があったので、11月頃から整形外科の受診から始まり、神経内科など複数の病院を受診しましたが、なかなか原因が特定出来ない日々が続きました。
翌年2014年になって大学病院に検査入院をして筋電図などの精密検査も受けましたが、病名までは特定されずに経過観察の通院の日々が続きました。
症状は強くなる一方だったため、インターネットの情報を頼りに、当てはまる症状の多かったALSの専門家のもとにセカンドオピニオンをもらいに行った同年10月にALSの診断を受けました。
所属していた広告会社からも在宅療養を勧められましたが、ALSの闘病をしながら自分らしく働き続ける道を僕は選択しました。
産業医のドクターストップがかかった2017年3月までは前職の広告会社で活動し、同年4月から現在に至るまで、独立して自身の立ち上げた一般社団法人WITH ALSで活動を続けています。
デザイン・企画力を活かして社会のイノベーションをプロデュース
僕がALSの診断を受けた2014年は世界中でアイスバケツチャレンジが大流行した年でした。あれだけのインパクトがあったのに、肝心のALSの認知・理解に結びついていない人が多かったり、残念ながらキャンペーンが一過性で終わってしまった事に強く疑問を抱いていました。
ALSが治せる未来を実現するためには、このまま火を消してはダメだ。継続的にALSの啓発活動を続けていくべきだ。
そう考え、2015年からALSの啓発活動団体として、WITH ALSの活動を始動させました。
広告会社で培ったコミュニケーションデザインや企画力を活かして、ALSの認知・理解に繋がるエンターテイメントイベントの企画やファッションブランドのプロデュース、ALSに有効な視線入力や脳波テクノロジーの研究開発プロジェクト、重度訪問介護事業所の経営など、多岐にわたるプロジェクトを手掛けています。
ALSの課題解決を起点に、誰もが自分らしく挑戦出来るBORDERLESSな社会を目指して、これからも僕らは挑戦を続けていきます。
日々の発信へのレスポンスが活動の原動力
僕らの活動を応援してくださる皆さんからのSNSなどでの応援コメントはいつも本当に励みになっています!
ALSの啓発のために僕は日々の活動をSNSで発信していますが、やっぱりレスポンスをもらえるのはとてもありがたいです。SNSを通じていつも応援してくださる方にイベントなどでリアルにお会い出来たりすると本当に嬉しいものですね!
映画を通して仲間の輪を広げたい
挑戦したい事はまだまだ沢山ありますが、そのうちの一つが僕らの挑戦の軌跡を1本のドキュメンタリー映画にして世界に届ける挑戦です。
その挑戦が、ALSや障がいを抱えた仲間たちの未来の生き方を変えて、ALSのことをより多くの方に知っていただくきっかけになると信じているからです。
アイスバケツチャレンジのような一過性のムーブメントではなく、映画を通じて深くALSのことを知ってもらい、持続的にALSのことを応援してくれる仲間の輪を世界に広げていくことで、いつか必ずALSが治せる未来を創造したいと思います。
有限の時間、無限の可能性を信じて
ALSになって改めて痛感した事があります。
それは誰しもが有限な時間の中で生きているという事です。
だから皆さんもどうか日々の一瞬一瞬を大切に、後悔のないように夢や目標に挑戦されてくださいね。
きっと僕らの人生に限界なんてないと僕は信じています。
最後に皆さんにエールの想いを込めて、この言葉をお送り致します。
NO LIMIT, YOUR LIFE.
本コンテンツの情報は公開時点(2022年11月4日)のものです。