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監修:滋賀医科大学 脳神経内科 教授 漆谷真先生
砂川市立病院 脳神経内科 山内理香先生

2020.12.21

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「世界遺産と食のツアー〜東南アジア〜
⑥インド
世界を旅するALSレストラン vol.2
レシピ提供:おいしい健康

「世界遺産と食のツアー〜東南アジア〜

日本の約9倍の面積をもつ広大なインド。紀元前2500年ごろのインダス文明を起源とし、世界遺産の数はなんと39件。美しい宮殿や荘厳な寺院、遺跡群と、圧巻のスケールで訪れるものの心をとらえます。
悠久の歴史とさまざまな文化が交錯するインドから、2つの世界遺産とおすすめグルメを紹介します。
記事の最後にはALS患者さん向けにアレンジしたレシピをご紹介していますので、インド料理を味わいながら味覚の旅へと出発しましょう。

目次

【タージ・マハル】ムガール帝国の繁栄を伝える白亜の霊廟

北インドの玄関口「デリー」から約200km離れた街、アグラに位置する白大理石の霊廟(れいびょう)「タージ・マハル」。完璧なまでに左右対称の均衡がとれたデザインは、インド・イスラム建築の最高傑作とされています。
建設が始まったのは1632年頃。ムガール帝国の第5代皇帝シャー・ジャハーンが、最愛の妻の死を悼んで建てました。

【タージ・マハル】ムガール帝国の繁栄を伝える白亜の霊廟

巨大なドームが見下ろすペルシア式の庭園は、イスラム教の天界を表しています。白大理石の外壁には色とりどりの宝石を埋め込んだ「象嵌細工(ぞうがんざいく)」や繊細なレリーフが施されていて、間近で見るとよりその神秘的な美しさを体感できるでしょう。
四隅に建つ先塔「ミナレット」は本来、霊廟に必要のないものですがドームを際立たせるため、装飾としてつくられました。40mの高さがあり、倒壊したときに霊廟を傷つけないようにと、外側に傾斜しています。
壮麗を極めたタージ・マハールの建設には約3万人が集められ、完成までに20年ほどの歳月を要しました。莫大な建設費用より、国が傾いたといわれています。

【アンベール城】象のタクシーで行く天空の王城

ピンク色の建物が立ち並ぶ、通称「ピンクシティ」のジャイプール。エキゾチックな旧市街から郊外へ行くと、荒涼とした丘の大地にそびえ立つアンベール城が姿をあらわします。ラジャスタンの丘陵城砦群のひとつとして世界文化遺産に登録されました。
16世紀初頭から約150年間、マハラジャ一族により増改築が繰り返された天空の城。異民族の侵入に備え屈強な外観ですが、内部はフレスコ画やレリーフによる緻密な装飾が施されていて、まるでおとぎ話のお城のように華麗です。

【アンベール城】象のタクシーで行く天空の王城

なかでも世界一の美しさともいわれる「ガネーシャ門」は、イスラムとヒンドゥーを融合したこの地方独自の建築・美術様式の最高峰。細やかな文様と美しい色彩の中心部には、象頭の神・ガネーシャが描かれています。
王が賓客を迎えた「鏡の間」は文字通り、天井や壁に無数の鏡が埋め込まれています。これは鏡の反射を利用して室内を明るくするため。ろうそくに火を灯すと、いくつもの幻影的な光に包まれるそうです。
山上のアンベール城は、麓から「象タクシー」に乗っていくのも楽しみの1つ。王族気分に浸って入城することができます。

巧みにスパイスを使うインドカレーの定番「ムルグマッカーニ」

巧みにスパイスを使うインドカレーの定番「ムルグマッカーニ」

「アーユル・ヴェーダ」と呼ばれる伝承医学から、体調に合わせてスパイスや食材を使い分けるインド料理。
「カレー」はもともとタミール語で汁をあらわす「カリ」が転じたもので、インドのカレーはスープ状です。人口の8割がヒンズー教徒のため、鶏肉や羊肉を使いますが、地域によって食文化は異なり、ベジタリアンも多いため野菜や豆のカレーもポピュラー。ノンベジタリアンメニューの定番はムルグマッカーニ(バターチキンカレー)。生クリームが入り、まろやかな味わいです。

ALS患者さん向け
アレンジレシピ「バターチキンカレー(ムルグマッカーニ)」

バターチキンカレー(ムルグマッカーニ)

バターチキンカレー
(ムルグマッカーニ)

インド料理の代表料理といえばカレー。その中でも人気のあるバターチキンカレーをALSの患者さんでも食べやすくアレンジ。

栄養価(1人分)

エネルギー
447 kcal
たんぱく質
16.5 g
脂質
9.1 g
炭水化物
72.1 g
食物繊維
2.3 g
食塩相当量
1.4 g

材料(1人分)

バターバター
「バター」カレーやスープの風味づけにバターを加えると、カロリーアップできます。
鶏もも肉(皮なし)
50 g
Aヨーグルト
50 g
Aにんにく
(すりおろし)
2 g
Aしょうが
(すりおろし)
2 g
Aカレー粉
(好みで調整)
小さじ1/2
(1 g)
Aガラムマサラ
小さじ1/2
(1 g)
トマト水煮
100 g
顆粒コンソメ
小さじ1/2
(1.5 g)
砂糖
小さじ2/3
(2 g)
0.5 g
バター
5 g
水溶き片栗粉
大さじ1
(16.5 g)
ご飯(または粥)
150 g

作り方

  • (1)鶏肉は1cmの角切りにし、Aと混ぜ合わせて30分以上漬け込みます。
  • (2)鍋に1、トマト水煮、コンソメを入れて20分ほど煮ます。砂糖、塩、バターを加えます。
  • (3)バターが溶けたら、水溶き片栗粉を加えて混ぜ、とろみがついたら火を止めます。器に盛り、ご飯やお粥と一緒にいただきます。

料理を作る際の注意点

  • ●当サイトのレシピは、「ユニバーサルデザインフード区分2」程度となるよう、0.3cm~1cm角切りを目安に作成しています。より嚥下が困難な患者さんには「さらに細かく切る、つぶす、すり鉢でする、ミキサーでペースト状にする」など、患者さんの状態にあわせて対応してください。また、少量のものはミキサーよりも、すり鉢の方が使いやすいこともあるので、食材により使い分けてください。
  • ●ミキサーでペースト状にする際、固体だけのものは、水やだし汁を少量加えてミキサーにかけてください。うまくなじまないときは、市販のとろみ剤を水かだし汁に加えて作った「とろみあん」を加えてミキサーにかけてください。

本コンテンツの情報は公開時点(2020年12月21日)のものです。

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