2020.12.21
- おでかけ
- ライフスタイル
「世界遺産と食のツアー〜東南アジア〜
③シンガポール共和国
世界を旅するALSレストラン vol.2
レシピ提供:
国の歴史は浅く、近代シンガポールの建国は19世紀。中継貿易の拠点として港が開かれると、中国やインド、マレー半島、さらに遠方から多くの移住者が入植し、めざましい発展を遂げました。
現在もその勢いは衰えず、新たな観光スポットが続々と誕生。3つのタワーにまたがって天空のプールを配する巨大施設「マリーナベイ・サンズ」、島全体がテーマパークとなったアジア最大級のリゾート「セントーサ島」、約2.5kmにわたってショップが立ち並ぶ「オーチャード・ロード」など、淡路島ほどの国土には観光名所がぎっしり。
そんなシンガポールのおすすめ料理と世界遺産といえば……?
記事の最後にはALS患者さん向けにアレンジしたレシピをご紹介していますので、シンガポール料理を味わいながら味覚の旅へと出発しましょう。
- 目次
【シンガポール植物園】160年の歴史を誇る自然の宝庫
1859年に設立されたシンガポール植物園は、この国最古の庭園。2015年、シンガポール初の世界遺産に登録されました。
南北に長くのびる敷地は、なんと約52haに及びます。「オーチャード・ロード」からタクシーで数分の都心にありながら、かつての熱帯雨林もそのまま残されていて、まさに緑の楽園。広大な敷地を進みながら、鮮やかな南国の花々、水鳥が遊ぶ湖、ショウガ科の植物が並ぶジンジャー・ガーデンなど、さまざまな自然を堪能することができます。
なかでも見どころは、1000の原種、2000の交配種が集められた世界最大のラン園「オーキッド・ガーデン」です。ランはシンガポールの国花であり、重要な輸出品目。各国の首脳やセレブの名を冠したランも並んでいて、当人をイメージしながら楽しめます。
豪華な花々の共演は、近未来的な光景とは違った、旅の贅沢な思い出となるでしょう。
【マーライオン】世界遺産ではなかった!しかも複数体いた!
シンガポールの象徴といえば、大きな口から水が噴き出す白亜の「マーライオン像」。上半身はライオン、下半身は魚で、繁栄をもたらす方向とされる東を向いて建てられています。サンスクリット語で「ライオンの町」を意味する「シンガプーラ」は国名の由来であり、1964年にシンガポール政府観光局のシンボルマークとなったことから、広く知られるようになりました。
有名な「マーライオンパーク」のマーライオン像は、マリーナベイをのぞむように立ち、夜は美しくライトアップ。ビル群の輝きを背に神々しさを放っているのですが……じつは、世界遺産に登録されていません。
さらにマーライオンはこれ1体だけではなく、シンガポール政府観光局の公認マーラインオンは複数体います(ちなみに日本の函館市にも公認マーライオン像があります)。
これも多くの人に愛されている証し。シンガポールを訪れたら、やはりマーライオン観光は外せません。
屋台文化が発展。夜はサテ・ストリートが有名
多くの移民が国づくりの基盤となったシンガポール。労働者たちが自炊しなくても済むようにと、屋台中心の食文化が根付きました。
多民族国家らしく、さまざまな民族料理が定着しているのもシンガポールグルメの特長です。バラエティに富んでいておいしくて安い。外食中心の食生活となるのもうなずける話で、屋台が集まる「ホーカー・センター」はシンガポール人の胃袋を支えています。
このうちオフィス街にある「ラオ・パ・サ」は、夜になるとマレー式の串焼き「サテ」の屋台が並ぶ「サテ・ストリート」に変身! ビールを片手に、香ばしく焼き上がった鶏肉を甘辛のピーナッツソースで頬張るのが現地のスタイル。熱気がますます食欲をそそります。
ALS患者さん向け
アレンジレシピ
マレー式串焼き
(サテ)
シンガポールの料理、サテをアレンジ。とろりと甘辛いピーナッツソースを絡めると肉が食べやすくなり、エネルギーアップにもなります。
栄養価(1人分)
- エネルギー
- 320 kcal
- たんぱく質
- 16.8 g
- 脂質
- 21.1 g
- 炭水化物
- 11.6 g
- 食物繊維
- 1.1 g
- 食塩相当量
- 1.4 g
材料(1人分)
- 鶏もも肉(皮なし)
- 70 g
- サラダ油
- 小さじ1/2
(2 g)
- Aみりん
- 大さじ1/2
(9 g)
- Aしょうゆ
- 小さじ1/4
(1.5 g)
- A酒
- 小さじ1
(5 g)
- Bピーナツバター
(粒が入っていないもの。) - 大さじ1
(18 g)
- B砂糖
- 小さじ1
(3 g)
- Bしょうゆ
- 小さじ1
(6 g)
- B水
- 大さじ2/3
(10 g)
作り方
- (1)鶏肉は、ところどころ切れ目を入れて、火の通りが均一になるよう肉の厚みをととのえます。
- (2)1をAの調味料に10分程つけます。フッ素樹脂加工のフライパンに油を入れて中火で熱し、鶏肉にこんがりと焼き色がつくまで焼きます。
- (3)2を1cm角に切り、よく混ぜ合わせたBをかけていただきます。(好みでレモン汁を振ってもおいしいです。)
料理を作る際の注意点
- ●当サイトのレシピは、「ユニバーサルデザインフード区分2」程度となるよう、0.3cm~1cm角切りを目安に作成しています。より嚥下が困難な患者さんには「さらに細かく切る、つぶす、すり鉢でする、ミキサーでペースト状にする」など、患者さんの状態にあわせて対応してください。また、少量のものはミキサーよりも、すり鉢の方が使いやすいこともあるので、食材により使い分けてください。
- ●ミキサーでペースト状にする際、固体だけのものは、水やだし汁を少量加えてミキサーにかけてください。うまくなじまないときは、市販のとろみ剤を水かだし汁に加えて作った「とろみあん」を加えてミキサーにかけてください。
本コンテンツの情報は公開時点(2020年12月21日)のものです。