2020.12.21
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「世界遺産と食のツアー〜東南アジア〜
②タイ王国
世界を旅するALSレストラン vol.2
レシピ提供:
赤道の北に位置するタイ王国(通称タイ)。日本の約1.4倍の国土面積をもち、北部の山々には少数民族が暮らしています。国民の約95%が仏教徒で男性は一生に一度は出家をし、全国の僧侶の数は約27万人、2万以上の寺院があるといわれています。
さまざまな王朝の栄枯盛衰を物語る遺跡も多く、エキゾチックな遺産巡りから質の高いビーチリゾートまで、多彩な表情をもつのがタイの魅力。首都バンコクから足をのばして行く2つの世界遺産とグルメをご紹介します。
記事の最後にはALS患者さん向けにアレンジしたレシピをご紹介していますので、タイ料理を味わいながら味覚の旅へと出発しましょう。
- 目次
【古都アユタヤと周辺の古都】廃墟の中に浮かび上がるかつての輝かしい王都
1351年から約400年続いたアユタヤ王朝の都があったエリア。四方をチャオプラヤー川に囲まれ、支流が入り組んだ地形から水運貿易が発展しました。現在もバンコクから水路を行くクルーズが人気です。
代表的な遺跡は、3基の仏塔が残る王宮跡「ワット・プラ・スィー・サンペット」。ビルマ軍に破壊されたため廃墟となっていますが、一部残された繊細な彫刻や回廊などからは往時の面影がしのばれます。
その近くにある「ワット・マタハート」はラーメスアン王が建てたという説やボロムラーチャー1世が建てたという説がある13世紀の謎めいた寺院遺跡。頭部のない仏像や菩提樹に覆われた仏像の頭が残っています。
西に行くと草原に横たわる白い寝釈迦仏「ワット・ロカヤスタ」が現れます。全長28mの巨大な姿はアユタヤ遺跡の中でもっともインパクトがあり、青空のもと、ゆるやかな時間の流れを感じられるでしょう。
【ドン・パヤーイェン・カオ・ヤイ森林群】国立公園では大自然ジャングルを冒険
タイ東部に位置し、「カオヤイ」など4つの国立公園と「ドン・ヤイ野生生物保護区」から構成される広大な熱帯雨林。野生の象やトラ、絶滅危惧種を含む800種類以上の動物が生息しています。ただし野生保護区は観光客の立ち入りを禁止しているため、国立公園を巡るのが一般的です。
このうちタイ最古の「カオヤイ国立公園」は総面積約2,100㎢の広さがあり、約85%が森林に覆われています。
園内にはフルマラソン級の40kmに及ぶトレッキングコースなどがあり、熱帯ジャングルを冒険することができます。広大な滝を登るシャワークライミングやダイナミックな川下り、野生動物たちに出会えるナイトサファリと、スリリングな体験ツアーも満載。タイ名物「象乗り」によるトレッキングでは、象の背に乗ったまま川を渡るコースもあり、ネイチャーリゾートを満喫できます。
タイの家庭料理の定番、酸っぱくて旨辛い「トムヤムクン」
熱帯の国・タイでは、食欲を出し、体調を整えるためにたくさんのスパイスやハーブを駆使した辛くてすっぱい料理を食べます。辛味の強さは地域によって異なり、バンコクは比較的マイルドで南部や東北地方は辛さが増すそうです。
代表料理の「トムヤムクン」は世界三大スープの1つ。「トム」は煮る、「ヤム」は混ぜる、「クン」はエビを意味します。辛いだけではなく、風味や香りを高めるため、唐辛子やレモングラス、かんきつ類などさまざまな素材で調味。夏に汗をかきながら食べるのもよし、冬は体がぽかぽかと温まります。
ALS患者さん向け
アレンジレシピ
ココナッツミルク入り
トムヤムクン
タイの家庭料理、トムヤムクンをアレンジ。ココナッツミルクを加えてマイルドな口当たりに、さらにエネルギーアップもできます。
栄養価(1人分)
- エネルギー
- 163 kcal
- たんぱく質
- 4.3 g
- 脂質
- 11.6 g
- 炭水化物
- 12.2 g
- 食物繊維
- 0.2 g
- 食塩相当量
- 2.2 g
材料(1人分)
- 冷凍えびシューマイ
- 3個(42 g)
- 水
- 100 ml
- 顆粒鶏がらスープの素
- 小さじ1/3
(0.8 g)
- ナムプラー
- 小さじ1
(6 g)
- ココナッツミルク
- 50 g
- レモン汁
- 小さじ1/2
(2.5 g)
- 水溶き片栗粉
- 大さじ1/2
(8.3 g)
- パクチー(あれば)
- 少々(2 g)
作り方
- (1)えびシューマイは袋の通りに加熱し、細かく刻みます。(または、フォークなどで細かく潰します。)
- (2)鍋に水、1、鶏がらスープの素を入れて、中火にかけます。沸騰したら火を弱めてナムプラー、ココナッツミルクを入れます。
- (3)ひと煮立ちしたら火を止めて、レモン汁と水溶き片栗粉を加えて混ぜ、再び中火にかけます。
- (4)汁にとろみがついたら、器に盛り、みじん切りにしたパクチーを振ります。
料理を作る際の注意点
- ●当サイトのレシピは、「ユニバーサルデザインフード区分2」程度となるよう、0.3cm~1cm角切りを目安に作成しています。より嚥下が困難な患者さんには「さらに細かく切る、つぶす、すり鉢でする、ミキサーでペースト状にする」など、患者さんの状態にあわせて対応してください。また、少量のものはミキサーよりも、すり鉢の方が使いやすいこともあるので、食材により使い分けてください。
- ●ミキサーでペースト状にする際、固体だけのものは、水やだし汁を少量加えてミキサーにかけてください。うまくなじまないときは、市販のとろみ剤を水かだし汁に加えて作った「とろみあん」を加えてミキサーにかけてください。
本コンテンツの情報は公開時点(2020年12月21日)のものです。