2021.11.1
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おすすめ観光地と
グルメツアー
〜ヨーロッパ編〜
③オーストリア共和国
世界を旅するALSレストラン vol.3
レシピ提供:
グルメツアー
〜ヨーロッパ編〜
オーストリアは9つの州で構成される連邦共和制。ヨーロッパの中央に位置し、ドイツ、スイス、イタリア、チェコなど8つの国々と接しています。日本の北海道とほぼ同じ大きさという小さな国でありながら、多民族と交流してきた歴史的背景から、音楽やアートなどの芸術が醸成されてきました。加えて、ハプスブルグ家によって築かれた宮殿や庭園などの文化遺産、美しい自然遺産も豊富。多種多様なヨーロッパ文化を存分に味わえます。
日本からは直行便があり、羽田空港、成田空港からウィーンへの飛行時間は片道12時間ほど。時差は日本よりマイナス8時間(サマータイム時はマイナス7時間)です。
- 目次
【ハルシュタット湖】雄大な自然と風情ある古都が織りなす
「世界で最も美しい湖畔」
ザルツブルクの東南に位置し、アルプスの峰々に囲まれた扇状の湖水地帯・ザルツカンマーグートは、ヨーロッパでも有数の景勝地。その中でも「世界で最も美しい湖畔」として知られるのが、ハルシュタット湖です。
険しい連峰に挟まれ、居住地となる場所が少ないことから、建物が積み重なるように建てられているのが特徴。豊かな自然と教会のある古い家並みが、鏡のようなハルシュタット湖の湖面に映り込む景観は幻想的で、「ザルツカンマーグート地方のハルシュタットとダッハシュタインの文化的景観」として世界遺産にも登録されているほどです。映画「サウンド・オブ・ミュージック」の撮影で使われた場所としても知られています。
ハルシュタットの「ハル」がケルト語で「塩」を意味する通り、古代から岩塩の町として栄えてきました。町の外れには古代ローマ以前にまで遡る岩塩坑も。現在でも採掘が行われ、観光客に公開されています。岩塩坑のある山上の展望台から、ハルシュタット湖と町を見下ろす絶景を見るだけでも訪れる価値があります。
【ブレゲンツ音楽祭】最新技術とスペクタクルな演出が融合した
湖上オペラ
音楽の都・オーストリアでは、毎年数々の音楽祭が開催されています。その中でとくに人気が高いのが、オーストリア西端の街・ブレゲンツで開催される湖上オペラ「ブレゲンツ音楽祭」です。
1946年からスタートしたこの音楽祭が行われるのは、毎年7〜8月にかけての4週間。人口3万人ほどの小さな街に毎年20万人以上の観光客が押し寄せ、ボーデン湖の上につくり上げた、斬新なビジュアルの湖上舞台に魅せられています。
有名なクラシックのオペラ楽曲を題材とすることがほとんどで、湖上や夕闇、月明かりといったロケーションを利用した演出は斬新でスペクタクル。隣接のホールで演奏されるオーケストラ、合唱、そして舞台上のソリストが最先端の音響技術のもと、見事にひとつの舞台をつくり上げる点も見どころです。
観光施設や交通機関で見られる細かな心配り
古い街並みや芸術など、見どころの多いオーストリア。実はバリアフリーを積極的に推進している国のひとつです。中でも観光客の多いウイーンは、バリアフリーの取り組みがほかの都市よりも進んでいます。
多くの美術館や博物館の入口にはスロープが設置されているため、入場も問題ありません。写真はウイーン楽友協会の施設内のエントランスにあるボタンです。押せば扉が自動で開閉し、スムーズに入場できます。
また、主要な交通手段であるトラムや市電(路面電車)、バスもバリアフリー化が進められています。低床の車両も多く、乗車しやすいのが特徴。市電の停車場には、低床の電車の出発時間を表示するディスプレイが設置されています。
宮廷文化から生まれたウィーンを代表するスイーツ「ザッハトルテ」
首都・ウィーンを中心に宮廷文化が栄えたオーストリア。そこから生まれたのが、宮廷料理・菓子を中心とした「ウィーン料理」です。「ホテル・ザッハー」で生まれた「チョコレートケーキの王様」といわれる「ザッハトルテ」もそのひとつ。濃厚なチョコレートと甘酸っぱいアプリコットジャムの組み合わせが特徴のケーキで、本場ではホイップクリームを添えていただきます。
ウィーンでは、それぞれのお店が独自のザッハトルテを出しており、その中でもとくに有名なのが「ホテル・ザッハー」と王室ゆかりの老舗洋菓子店「デメル」。この2つは、かつてザッハトルテの商標を巡って裁判で争ったほど。現在も多くの観光客が食べ比べを楽しんでいます。
ALS患者さん向け
アレンジレシピ
ザッハトルテ
小麦粉を使わずに、アプリコットシロップをたっぷり染み込ませてしっとりと飲み込みやすく仕上げた濃厚なチョコレートケーキ。
栄養価(1人分)
- エネルギー
- 363 kcal
- たんぱく質
- 6.0 g
- 脂質
- 25.5 g
- 炭水化物
- 29.2 g
- 食物繊維
- 0.2 g
- 食塩相当量
- 0.2 g
材料(6人分・ケーキ型直径15cm)
- ビターチョコレート(製菓用)
- 120 g
- バター
- 20 g
- 卵(Mサイズ・常温に戻しておく)
- 4個
(200 g)
- 砂糖
- 大さじ2
(18 g)
- アプリコットシロップ
- A アプリコットジャム
- 120 g
- A 水
- 大さじ2
(30 g)
- グラサージュ
- B ビターチョコレート(製菓用)
- 60 g
- B 生クリーム
- 70ml
- トッピング
- 金箔 (あれば)
- 適量
- 生クリーム(添える用)
- 60 ml
作り方
- (1)卵は卵黄と卵白に分け、卵白は大きめのボウルに入れます。オーブンは180℃に予熱を入れておきます。
- (2)1の卵白をハンドミキサー(または泡立て器)で、砂糖を数回に分けて加えながら、ツノが立つまでメレンゲにします。
- (3)チョコレートとバターは耐熱ボウルに入れて、ラップはかけずに電子レンジ(600W)で20秒ずつ溶けるまで加熱します。
- (4)3に卵黄を加えてしっかりと混ぜたら、メレンゲを3回に分けて加え、ゴムべらでさっくりと均一になるように混ぜ合わせます。
- (5)4の生地をケーキ型に流し込み、天板にのせて予熱が入ったオーブンで18分ほど焼きます(竹串を刺し、付いてこなければ出来上がりです)。
- (6)ケーキの粗熱を取っている間に、Aを鍋に入れて中火にかけ、ひと煮立ちさせてシロップを作ります。
- (7)バットの上に網をおき、横に半分に切ったケーキの1枚をその上にのせ、シロップを塗ります。その上にもう1枚を重ねて残りのシロップを全体にかけます。
- (8) Bの生クリームを沸騰直前まで温め、ボウルに入れたBのチョコレートに注いで混ぜ合わせ、グラサージュを作り、7の上から回しかけて全体を覆います。
- (9)冷蔵庫でチョコレートが固まるまで冷やし、あれば金箔を飾ります。6等分に切り、八分立てにホイップした生クリームを添えます。
- ※グラサージュは可食量8割で栄養価計算しています。
料理を作る際の注意点
- ●当サイトのレシピは、「ユニバーサルデザインフード区分2」程度となるよう、0.3cm~1cm角切りを目安に作成しています。より嚥下が困難な患者さんには「さらに細かく切る、つぶす、すり鉢でする、ミキサーでペースト状にする」など、患者さんの状態にあわせて対応してください。また、少量のものはミキサーよりも、すり鉢の方が使いやすいこともあるので、食材により使い分けてください。
- ●ミキサーでペースト状にする際、固体だけのものは、水やだし汁を少量加えてミキサーにかけてください。うまくなじまないときは、市販のとろみ剤を水かだし汁に加えて作った「とろみあん」を加えてミキサーにかけてください。
本コンテンツの情報は公開時点(2021年11月1日)のものです。